自走人生のススメ vol.37:
“社会貢献”という感触に後押しされながら、自分探しの旅を…
京都リカレントステイ同行取材ver3 2020.02.05定年後入門

定年後研究所が企画した中高年会社員を対象にした研修プログラム「京都リカレントステイ」が昨年12月から始まった。人生100年時代に備える「学び直し」と定年後の人生を考えるためのプログラムだ。大学での講義と「フィールドワーク」という実習・体験が組み合わされている。

このプログラムの企画は、京都が抱える地域課題の解決に取り組む地元企業・団体と大学、そして我々シンクタンクのコラボによって生まれた全国でも初めての試みである。地元自治体である京都府からも「京都での定住促進や地域商業やコミュニティの再生など地域の活性化にもつながる大変意義のある事業」とのことで、後援をいただいている。

まさに、京都の「産学官民」の協力なくしては実現しなかっただろう。新年早々、地元ラジオ局の取材を受け、電話で生出演をした。「京都のどこで、どんなことを行っているのか」「フィールドワークで受講生を受け入れた企業や団体では、どのような効果があったのか」など、今回のプログラムが京都という街にどのように貢献するのか? といったところに関心を持っていただけたようだ。

実際に、今回のフィールドワークでは、次の3つのテーマに取り組んでいる。どれも、地元の課題解決のための取り組みであり、社会貢献の側面を持つものだ。

東山区にある古川町商店街では、商店街に活気を呼び戻すプロジェクトをテーマにして、商店街の中にあるカフェや食料品店で仕事体験をしながら、店主と一緒になって考えている。

「京都移住計画」では、京都へのUターンやIターンを支援するために、移住希望者の疑問や不安に対して、どのように対処したらいいかを考えている。衣食住それぞれの分野の専門家の話を収集して、まとめる作業が進行中だ。中京区井筒屋町にある「綿善(わたぜん)旅館」は、創業190年になる老舗旅館だ。「京都ならではの文化と伝統を、令和の新しい時代にどのように伝承していけばいいのか」というテーマに対し、若おかみと一緒に取り組んでいる。

このようなテーマに対し、ある受講者は「地元京都のために役立っている感じ」だという。また、「今回のフィールドワークを通じて、改めて社会とのつながりを感じた。会社の中にいるときにはなかった気持ちだ」と語る人もいる。

京都リカレントステイ」のプログラムをスタートしてみて気づいたことは、「地元との一体感がプログラム成功のカギになる」ということだ。受講者を“外来者”ではなく、同じテーマに取り組む同志として迎えてくれる受け入れ側。その土俵にうまく乗った受講者たちは、社会貢献という感触に後押しされながら、自分探しの旅をしているのだ。

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日本で初めての「50代以上会社員」に特化した、定年後ライフの準備支援機関。定年後の「自走人生」を目指すシニアを応援。ポータルサイト『定年3・0』を通じ、コミュニケーションスタイル診断アプリ「コミスタ」を無料提供中。


得丸英司(とくまる・えいじ)
1957年生まれ。「一般社団法人定年後研究所」所長。星和ビジネスリンク取締役常務執行役員。
大手生命保険会社で25年にわたり、法人・個人分野のFPコンサルティング部門に従事。日本FP協会常務理事、慶應義塾大学大学院講師などを歴任。日本FP協会特別顧問。