自走人生のススメ vol.36:
経営を学びつつ、商店街の活性化企画について取り組む…
こだわりのカフェで修行!
京都リカレントステイ同行取材ver2 2020.01.29定年後入門

「スペシャリティコーヒーと言い間違える人が多いのですが、スペシャルティが正しい言い方ですので気をつけて」
3人の実習生を熱心に指導しているのは、カフェ『EL PUENTE COFFEE LABORATORY(エルプエンテ コーヒーラボラトリー)』の経営者である松村雄哉さん。定年後研究所が運営している中高年会社員のための学び直しプログラム『京都リカレントステイ』での光景だ。

「注文は、あくまでもお客さまに選択いただくことが大切。熱心な説明のあまり、お客さまを誘導することにならないようにしてください」

「お客さまにお見せするメニューを指すときは、手の甲ではなく手のひらを見せる」

次々とテンポよく松村さんの指示が飛んでくる。受け止める実習生も真剣そのものだ。それもそのはず、この直後には本物のお客さまを接客しなければならないからだ。

松村さんのカフェは、京都市東山区の古川町商店街にある。コロンビア産のコーヒー豆だけを使用したスペシャルティコーヒー専門店だ。自家焙煎を基本に、一杯一杯丁寧にドリップ方式で提供しているこだわりのカフェだ。松村さんは、バックパッカーで中南米を旅していた時に、コロンビアコーヒーに出合い、惚れこんで、現地の農園との直接取引を実現するなどして、開業にまでこぎつけたのだそうだ。

今回のリカレントプログラムでは、カフェ経営を学びつつ、古川町商店街の活性化企画について取り組むことが課題になっており、コーヒーの基礎知識から、開業までの流れ、淹れ方、企画の考え方などを学び、体験する。

「スペシャルティコーヒーというものを、今回初めて知りました。コーヒーの奥深さを身にしみて感じました」というのは実習生のKさん(56)。同じく実習生のOさん(58)は、「学生時代のバイトでも飲食店の経験はなかったので、今回初めてカフェでの接客という貴重な体験をしました。事前にロープレ(役割演技)をやったときに、自分で気づかなかった癖を指摘してもらい役に立ちました」と楽しそうに語ってくれた。

店舗実習も2日目になると、だいぶ慣れてくるからなのだろうか、実習生からの発言や行動が積極的になってきた。

「お一人で来られた場合と、お二人での来店では、接客のポイントがどう違うのでしょうか。みんなでロープレやってみませんか?」

「来店が少ないですね。通りに出てチラシ配りをしましょう!」

今回のフィールドワーク(仕事体験)の趣旨が実践されている様子が確認できた。次回、年明け1月中旬に行われる2回目のワークでは、開業資金や仕入れの知識などの「カフェ経営に必要な知識」を学ぶことが予定されている。

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日本で初めての「50代以上会社員」に特化した、定年後ライフの準備支援機関。定年後の「自走人生」を目指すシニアを応援。ポータルサイト『定年3・0』を通じ、コミュニケーションスタイル診断アプリ「コミスタ」を無料提供中。


得丸英司(とくまる・えいじ)
1957年生まれ。「一般社団法人定年後研究所」所長。星和ビジネスリンク取締役常務執行役員。
大手生命保険会社で25年にわたり、法人・個人分野のFPコンサルティング部門に従事。日本FP協会常務理事、慶應義塾大学大学院講師などを歴任。日本FP協会特別顧問。