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仕事
2018年07月01日

再就職に必要な3つの力で定年後を生き抜く

再就職に必要な3つの力で定年後を生き抜く 2018.07.01働く


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 定年後、自分の力で純然たる「再就職」をする人というのは、現実にはあまり多くありません。処遇のことはさておき、長年勤めてきた会社での再雇用を選ぶ方が楽だし、そもそも60歳を超えてしまうと通常のルートで「納得できる仕事」を見つけることはかなり難しくなってしまうからです。しかし、「優秀な60代ならぜひ来てほしい」という企業は潜在的には実にたくさんあり、そういう企業への再就職を考えることは何ら非現実的なことではありません。ここでは再就職の道を視野に入れている方々のために、「再就職力とは何か」についてご説明します。

再就職に関わる「3つの力」

「再就職力」というと、「取りあえずどこかの会社に採用される能力」という意味合いでとらえられそうですが、ここでの定義は少し違います。単に採用されるのでなく「再就職先で活躍する」ところまでを含めた力と定義します。

長年一つの会社に勤めてきた人が、他の会社に適応し成功するというのは、そう簡単なことではありません(特に大企業出身が中小企業に入社した場合、極めて高い確率ですぐに退職することになります)。入社したところで、すぐに辞めてしまっては意味がないので、「その先の力」まで考慮することが必要なのです。

この定義で考えたとき、「再就職力」は下記の「3つの力」で構成されます。

  1. (1)自分の価値をアピールする力
  2. (2)環境に適応する力
  3. (3)汎用的な仕事スキル

さらに具体的に考えていきましょう。

再就職力1:自分の価値をアピールする力(再就職先に選ばれるための行動)

不得手な人に多いのは、「過去の自分の経験(実績)」をひたすら語るというパターンです。もちろん、近い業種・職種であれば十分に功を奏することも考えられます。しかし業種や職種、さらには企業規模が違う場合には相手がピンとこないことも多く、「空振り」になってしまう恐れが高いのです。

大切なのはそうした「経験」「実績」を語りつつ、「その会社にどんな貢献ができるか」へと着地させることです。それらの事実はどんな能力の存在を意味しているのか、その能力によってどのような形で具体的な成果を生み出すことができるのか、できるだけ相手にとって分かりやすい表現で伝えることが「望ましい価値アピール」です。

そのためには当たり前のことですが、「能力や成果に関する表現のバリエーション」を持っている必要があります。ビジネス書などを読めばさまざまな表現に行き当たるはずなので、日頃から表現を増やす努力をすることが望ましいでしょう。


再就職力2:環境に適応する力(再就職後の行動)

入社後に待っているのはこれまでとは違う職場生活であり、それゆえのストレスフルな日々です。例えば大企業から中小企業に移った場合、まず驚くのは「すべてがざっくり」だということ。役割分担一つとっても、曖昧だったり多重役割が当然だったり…大企業の出身者には「ずさんすぎる」ように感じられます。

この感覚は、海外に赴任した場合に感じる「異文化ショック」に似ています。慣れた環境から離れ異質な環境の中に置かれるとしばらくは強いストレスに見舞われることになりますが、それと同じようなことが起きているのです。

では「異文化(異質な環境)への適応」には、何が大切なのでしょうか。

1つめは「受容的な態度」。

自分が慣れ親しんだものだけを正しいと決めつけず、異文化には異文化の必然性があることを理解し、肯定的に受容するという態度です。

2つめは「プラス志向」。

相手(入社先)には、おそらくたくさんの欠点があります。しかし、それと同時にたくさんの「長所」も存在しています。長所(プラス面)をできるだけ見るようにすることが異文化適応には欠かせません。

3つめは「共感力」。

心のどこかに相手を見下すようなところがあれば、相手もまた心を許してくれません。相手と同じ目線で考えられるよう、相手の中に飛び込んでいけるか。そして互いに共感しあう関係が築けるか。その能力が問われます。


再就職力3:汎用的な仕事スキル(仕事で成果を出すための行動)

定年後の再就職力の中に、ことさらにこの能力を入れてあるのには理由があります。年齢的に考えて必ずや「即戦力」としての期待が、相手(入社先)にはあるからです。ある意味で自分を取り巻くすべての人が、「お手並み拝見」の状態にあると考えておいた方がいいでしょう。

仕事で成果を出すには、専門的なスキルと汎用的なスキルが必要ですが、より重要なのは後者です(専門的なスキルは、仮に不足していても「学習能力」という汎用的なスキルがあれば何とかなるので、あまり問題になりません)。

汎用的な仕事スキルは、「あらゆる仕事で成果を出すために必要なスキル」のことで、例えば「論理的な思考力」「伝える力」「聴く力」「持続力」「他人の気持ちを推察する力」といったものがこれに相当します。さらに、現在の仕事環境を踏まえていえば、基本的なITスキルなども含まれると考えていいでしょう。大企業であれ中小企業であれ、営業であれ企画であれ、プレイヤーであれマネジャーであれ、要求される水準に差はあっても、これらのスキルがなくては成果が出ません。再就職が成功するか否かの、最大のカギといっても過言ではないでしょう。

報酬を十分に上回る利益を生み出す人になろう

「3つの力」について説明しても、「現実には再就職なんて厳しいのではないか?」という声が聞こえてきそうです。しかし、本当にそうでしょうか。

大企業であれ中小企業であれ、それが営利組織である以上、不変の原則があります。それは「報酬を十分に上回る利益を生み出す人であれば、採用を認めない理由がない」ということです。利益創出力よりも好き嫌いを優先する企業も世の中にはあるので、例外がないとはいえませんが、合理性を旨とする企業であれば必ずや適用されるはずです。

本気で再就職をめざすのであれば「通常のルート」、いわゆる斡旋機関的なものだけに頼るという発想はやめた方がよいでしょう。中小企業を含めれば、世の中に会社は山のようにあります。そうした会社の中から、「十分な利益をもたらすことができる」と確信できる会社を見つけ、そこに売り込みをかけてみる(世界的に見れば奇異な行動でも何でもない)。そうした能動的な姿勢こそが、再就職には不可欠です。

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