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仕事
2018年07月01日

再雇用時代をムダにしない「5つの心得」

再雇用時代をムダにしない「5つの心得」 2018.07.01働く


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国の主導による雇用延長の動きが進む中、これまで勤めてきた会社に「再雇用」という形で勤め続ける人が増えています。処遇は大きく変わってしまうけれど、それでも慣れ親しんだ会社で働き続ける方が、無縁な会社への再就職などと比較して「楽」で「安心」ということなのでしょう。しかし、その「楽さ」ゆえに、さまざまな問題も起きているようです。ここでは再雇用がはらむ問題に触れつつ、その形態を選択した人がどのように過ごすべきか、「あるべき姿」について考えていきます。

不満だらけの再雇用「三方不満」という実態

業種等によって事情は大きく異なるでしょうが、総じて「再雇用」の評判はよくありません。

そもそも、選択した本人が「半端仕事しか与えられず、やる気が出ない」「給料が大幅に下がったのに忙しい」「若い連中に見下されているようで悔しい」…こうした不満を抱いているのです。

また周囲の人たちも、再雇用に肯定的でないことが多いようです。年長者なので、それなりに気をつかわないといけない。しかし現場の事情が分かっておらずスキルもないので、仕事は出しにくい。出しても仕事が遅い。仕事ができないのに不満だけはいろいろ言う。「勘弁してくれ」と思っている人は、極めて多いようです。もちろん本人の資質次第ではありますが・・・。

会社にしても、国からの要請があって制度を導入しているものの、内心あまり歓迎はしていません。一般の「中高年社員」の扱いさえ困っている状況なのに、定年過ぎの人の面倒まで見ろと言われてもなぁ・・・というのが、おそらく本音でしょう。

つまり、これに関わる人たちがそろいもそろって強い不満を抱くという、好ましからざる状況が広く見られるのです。

問題を解決するため再雇用者に求められること

現状の再雇用制度がかなり問題をはらんでいることは明らかです。年金制度の延命を図りたい国と、あまり無理はしたくない企業との間で、何となくたどりついた妥協点。不満が生まれるのは、当然といえば当然です。

しかし、ここでその是非を論じたところで、あまり意味はないでしょう。この場で伝えたいのは、再雇用の立場にある人の「心得」です。

再雇用者に関しては、60歳以上という年齢特性もあってか、仮に言動に問題があっても、もう誰も本気で「教育的指導」を試みようとはしません。しかしそれでは周囲の人のストレスは解消されず、また本人自身も何の成長もないまま数年を過ごすことになり、何もよいことはありません。周囲のためにも、また貴重な人生の時間を不毛なものにしないためにも、その時代の生き方についてしっかりとした考えを持ちましょう。

再雇用者が認識すべき「5つの心得」

心得①:「自分で選んだ」ことを自覚すべし

再雇用は「自分で選択した道である」ことを片時も忘れてはいけません。忘れてしまうと、現在の状態が「強制されたもの」に思えてきて、被害者意識の塊になってしまう恐れが高いからです。ブツブツと不満を漏らしているくらいなら辞めた方がよいのです。

心得②:「年齢」を意識の中から消すべし

再雇用の時代を明るく過ごそうと思うなら、年齢を意識から消し去ることが肝要です。周囲はほぼ自分より年下であり、年齢を気にすれば彼らから指示・指導されることはすべて「屈辱」になってしまいかねません。また相手との心理的距離はどんどん大きくなり、親しくなることもできないのです。年齢は関係ない。機能的なパートナーとして相手にとって有用な存在となるよう、ただ全力を尽くせばよいのです。

心得③:「イメージ」を裏切ることに努めるべし

再雇用者に限らず、中高年社員に対する周囲のイメージはあまりかんばしくありません(「やる気がない」「口うるさい」「昔の自慢ばかりする」などが、代表的なイメージ)。こうしたイメージがもたれている中、これに該当する行動をとってしまえば、その時点であなたに対する周囲のイメージは「典型的な高齢社員」として確定します。そうなりたくないと願うなら、再雇用となった当初から、こうしたイメージを裏切るように行動する必要があります。「若々しく装え」ということではありません。周囲の人たちと同じ目線で、前向きに仕事に取り組む。それで十分なのです。

心得④:主体的に「役割」を創造すべし

日本の企業人には何歳になっても「仕事は与えられるもの」「モチベーションは環境によって決まるもの」という、他者依存の思考から抜け出せない人が多いもの。しかし再雇用の段階に至ってなおそれから抜け出せないというのは、あまりにも悲しいことです。長く勤めてきた会社なら、課題は分かっているはずです。会社(あるいは周囲の人)のために「こうした方がいい」と思うことがあれば、主体的にそれを自分の役割に加えていけばよいのです。自分に、その識見と実現能力(周囲との調整は必ず必要になるので、それを含めた幅広い能力が必要となる)があると信じなければ、再雇用の生活を選ぶこと自体がつらい選択となるでしょう。

心得⑤:「陰徳」を積むべし

再雇用期であろうとも主体的に行動することが必要なのは、心得④にも記した通りです。しかしその一方、会社の主役はすでに次世代に移行していることを理解し、いい意味で「目立たないこと」も再雇用期には必要です。裏方として地道なサポートをすること、困っている人がいたらこっそり助言をしてあげること、手柄は譲ってあげることなど、後輩たちに配慮して動くことを心がけましょう。陰徳を積め、ということです。

60歳前後、役職定年から再雇用というルートを歩むことも珍しくないこの時期は、大きな環境変化の時期であり、モチベーションの低下に見舞われやすい時期です。

この時期を周囲の冷気を感じつつブツクサと不満を言って過ごすか、それとも上記のような心得を胸にエネルギッシュに活動するか。それは、あなた次第です。しかしその選択が、あなたが今思っている以上に、これからの人生に影響を与えることは十分に理解しておいた方がよいでしょう。

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