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生活
2018年07月01日

お金、貯金だけではNG!幸せな定年を迎えるための5つの準備

お金、貯金だけではNG!幸せな定年を迎えるための5つの準備 2018.07.01定年後入門


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 最近は、定年後関連の本を見かけることが多くなりました。高齢化が問題となっている日本において、ひとごとではないと感じる方が増えているのでしょう。人生百年時代、先々の人生に思いをめぐらせることは大切です。

しかし気になるのは、それらのほとんどが「お金」に関するものだという点。もちろん、お金は大切ですが、それだけで「幸福な定年後生活」が約束されるほど、人生は単純なものでありません。

ここでは、お金以外の面から、定年後に向けてどんな準備をすることが望ましいかを考えることにしたいと思います。

準備1:「自分のアタマで考える習慣」をつける

 「定年後」の人生は、あなた自身が自由にデザインできます。しかし、そのためには、自由に耐える力、言い換えれば、自分の頭できちんと考え、判断する力が求められることになります。あなたには、その自信がありますか?

 「定年」というのは、組織人としての人生にいったんピリオドを打ち、個としての人生へと移行することを意味します。服務規律もないし、上司もいない。どこで何をしようと、基本的にはまったく自由です。しかし長い間組織暮らしをしてきた人にとって、実のところ「自由」くらいシンドイものはないのです。組織にいれば仕事は与えられるし、物事の可否はかなりの部分を上司が判断してくれます。うっとうしさがある一方、数十年間よくも悪くも、そういう状態に慣れ親しんできたのです。最初のうちはその「自由」を楽しめたとしても、次第に自分の頭をフル稼働させねばならない「自由状態」が続くと、言葉の甘美な響きとは裏腹に、非常にシンドイものとなってしまう人が多くいるのも事実です。

 もし、今のあなたが同様の不安を感じるのであれば、現在の仕事を通じて、「自分のアタマで考える習慣づけ」をすることをお勧めします。「自分の役割は何かを自分で再定義してみる」「会社や部門の課題は何かを考え、会議などで提起してみる」など優秀なビジネス・パーソンなら必ずやっているであろう、こうした習慣を、日々愚直に続けていけば、必ずや思考力はアップし、自信もついていきます。そして当然ながら、この先の人生にも好影響を及ぼすことになることが期待できるでしょう。

準備2:「自分の心を理解する」努力をする

 幸福はその人の心が決めるものです。定年後家族とのんびり過ごすことが幸せだと感じる人もいれば、一人旅をしながら新たな困難に立ち向かうことを幸せだと感じる人もいるでしょう。しかし、その根源である「自分の幸せは何か」を分からなければ、「幸福な定年後の生き方」が何かということに、気づくことさえできないのです。

 ところが日本人の中には、「自分のことを理解できていない人」が予想外に多いもの。理由は簡単で、自分自身に向き合う機会を、ほとんど持ってこなかったためなのです。ここでいう「機会」とは、基本的には転職のことを指します。転職においては、自分のパーソナリティーや「どんな価値を生みだせる人間であるか」を分かりやすく相手に伝えねばならず、真剣に自分と向き合うため、必然的に自己理解は高まることになります。しかし、40代~60代のビジネス・パーソンにとって、転職はあまりポピュラーでないのが現実。自分に向き合う経験が少ないことから、「自己理解度」は、総じて低い傾向にあります。

 もしあなたが、自己の欲求や価値観を十分に理解できているか自信がなければ、今すぐやっていただきたいことがあります。それはノートを買ってきて、白いページを広げることです。そこに、自分が昔夢見ていたこと、好きだったこと、嫌いだったこと、得意だったこと、苦手だったこと、好きな人のこと、嫌いな人のこと…などを、思いつくまま、自由に書き出していけばいいのです。やがて少しずつ、ありのままの自分の姿が現れ、自分の心を見つめられるようになるでしょう。

準備3:「自分の世界を広げる」努力をする

 あくまで過去に会った人々の印象にもとづく推論に過ぎませんが、定年期に至るまで1つの会社(組織)に勤めてきた人は、「井の中の蛙」で、世の中を知らないことが多いように思われます。そして自分の考えは、どこに行っても通用するはずだという錯覚に陥っているのです。

 例えば、こうした錯覚にとらわれた大企業出身者が、定年をもって中小企業に転職したとしましょう。「この会社にはこの程度の仕組みもないのか」「何で仕事がきちんと分業化されていないのか」など、再就職先の会社のダメ出しを連発し、経営者や現場社員から嫌われ、すぐに辞職。あるいは、それにストレスを感じて辞めることになるかのどちらかであり、事例の枚挙にいとまはありません。

 自覚するのは難しいことですが、そうした危惧を感じるなら、「社外(世の中)」のことを理解する努力をしてみましょう。メディアを通じて理解するのもよいですが、より実効性があるのは、じかに人に会って話すことです。それも、自分とは異なる世界に生き、異なる生き方をしている人の話を聞くことが重要です。世間知らずのまま、定年後の生活に飛び込むリスクが、かなり低減されることでしょう。

準備4:「仕事以外の仲間づくり」を始める

 ベストセラーとなった楠木新さんの『定年後』(中公新書)の最大の功績は、定年後のもっとも深刻な問題が「孤独」だと指摘したことにあるでしょう。家と会社の往復に終始し、仕事を通じた仲間しかいないというような人の場合、定年はほぼ社会との断絶に等しくなってしまいます。実際、そういうシニア(特に男性)は、世の中にいくらでもいるはずです。

 そうならないためには、定年前のできるだけ早い時期から、「仕事以外の仲間づくり」を始めることが必要です。そのために友だちづくりイベントに参加するとか、そういう特別なことをお勧めしているわけではありません。もちろん参加しても構いませんが、仕事を通じた仲間でも、もう少し深い会話をする機会をつくるだけで、終生続くような仲間となることもありえます。あるいは隣家のご主人だって、よくよく話をしてみれば、強い連帯感でつながれる同志のような人かもしれないのです。

 今あなたの周りにいる人と、これまでとは違う「深いコミュニケーション」を心がけるだけでも、「定年後も続く人間関係」を築ける可能性は高くなります。

準備5:「自分の価値を高める」ことで長く働ける環境をつくる

 冒頭で「定年後の本はお金のことばかり」と書きましたが、そうなってしまう背景には、「いつまで生きるか分からない」ことから生じる、高齢化社会特有の不安心理が存在します。当然といえば当然ですが、だからといって年金のことばかり考えても、あまり益はありません。 不安に対処する抜本的な方法は、ただひとつ。長く働き続けること、つまり長く稼げるようにすることです。

 どこまでかさむか分からない「出」に対して、「入(年金)」の方は上限が決まっているというのが、多くの人の老後の現実であり、それが不安を生む原因となっています。そうであれば、「稼ぐ」、つまり「入」を増やす手だてを持つということでしか、その不安は解消されないのです。

 そのためには、縁故を頼ってコツコツと再就職先を探すといったことも必要ですが、その前にやっておくべきことがあります。それは、あなた自身の「働き手としての価値」を高めておくことです。「働く」とは、勤務先や顧客に価値を提供することであり、報酬以上の価値を提供できる限り、年齢はさしたる問題ではありません。つまり、「自分という資産」の価値を高め、それを保ち続けることこそ、最大の「老後対策」なのです。もしあなたが今現役で働いているならば、日々の仕事を通じて、その向上を図ることこそ、最大の「定年準備」といえるでしょう。


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