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仕事
2019年04月10日

シニア社員活性化最前線(上)

自走人生のススメ vol.10:シニア社員活性化最前線(上) 2019.04.10定年後入門


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昨年11月、都内のホールに約150名の企業の人事担当者が集まった。定年後研究所が主催する「キャリア・ラーニング・システム公開セミナー」に参加いただいた人たちだ。キャリア・ラーニング・システム(Career Learning System:以下CLS)は、定年後研究所が50代現役会社員のキャリア開発のために企画・制作したラーニングシステムのことである。

役職定年や出向、配置転換などを原因としてモチベーションが下がったと感じる50代男性会社員は23.5%~40.9%にも上り、「50代シンドローム」の危機が懸念されている(定年後研究所調べ)。にもかかわらず、雇用(定年)延長により60歳以降も在籍し続けるシニア社員が増えている。

「50代でモチベーションが下がってしまった社員を“長く抱える”ことにならないだろうか…」このような人事担当者の本音が聞こえてきそうである。前述の公開セミナーに参加いただいた中にも、「今後は、50代以上社員のモチベーション維持や活性化が課題となってくる」と認識されている方が多数いた。

政府は、「働き方改革の第2弾として、65歳以上への継続雇用年齢の引き上げに向けた環境整備や、中途採用の大幅な拡大に取り組むなど、生涯現役時代の雇用改革を進める」(2018年10月15日第1回働き方改革フォローアップ会合より)とシニア活躍を支援する動きを進めている。

さあ、そうなればあとは50代会社員“本人たちの問題”である。CLSの主題は、50代会社員が今まで以上に職務領域の拡大を狙える“人財”として成長し続けるための「50代再生プログラム」である。役職定年や出向などを経験して、「もう自分の会社人生はこれまでか…」などと50代シンドロームなどに惑わされている場合ではないのだ。

CLSの最大の特長は「Eラーニング形式」による研修である。といっても、講師が映像で教えたりする従来の「教育・記憶型」のラーニングとは全く異なる。講師は「自らの経験と思考」であり、自分自身に問いかけるカタチでラーニングが進行していくのだ。自己の能力再開発を、自らの分析と傾向の把握によって、発見から再開発へと導いていく「自立型能力開発」プログラムである。

なぜ自立型なのか?これには理由がある。50代会社員になると、管理職の経験などで活躍してきた「自負」があるからだ。この自負は時として「頑固」となり「素直さ」の邪魔をする。従来の集合研修スタイルの研修を受講し、自分の能力や適性の棚卸などを矢継ぎ早に詰め込まれても、「満腹感」はあるものの「腑に落ちない」ままで研修を終えてしまう。結局、「なんとかなる。これまでもそうだったから」「まだ定年なんて先のことだし…」と自分に言い聞かせてしまうだけ。だからCLSでは自分自身が「講師」なのだ。

CLSの具体的内容については次回紹介する。

夕刊フジで毎週金曜日に連載中


日本で初めての「50代以上会社員」に特化した、定年後ライフの準備支援機関。定年後の「自走人生」を目指すシニアを応援。ポータルサイト『定年3・0』を通じ、コミュニケーションスタイル診断アプリ「コミスタ」を無料提供中。


得丸英司(とくまる・えいじ)
1957年生まれ。「一般社団法人定年後研究所」所長。星和ビジネスリンク取締役常務執行役員。
大手生命保険会社で25年にわたり、法人・個人分野のFPコンサルティング部門に従事。日本FP協会常務理事、慶應義塾大学大学院講師などを歴任。日本FP協会特別顧問。

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