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生活
2019年03月27日

円滑な人間関係は「心の視力チェック」から

自走人生のススメ vol.9:円滑な人間関係は「心の視力チェック」から 2019.03.27定年後入門


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このコラムで取り上げている「コミスタ」は、定年後研究所がポータルサイト「定年3・0」を通じて提供しているコミュニケーションスタイルの自己診断アプリである。定年後の暮らしを見据えて、50代以上の会社員にぜひ身につけてほしいコミュニケーション力を磨くためのきっかけづくりのアプリケーションで、公開以来好評を博している。

コミスタは“新たな自分”に気づくことを目的に開発された。定年後研究所顧問で東洋大学准教授の小島貴子氏との共同開発である。小島氏は「会社内外での人間関係のベースはコミュニケーションだが、日常では気づかない自分の行動や考え方が、コミュニケーションスタイルに影響を及ぼしている。まずは自分のスタイルに気づくことが、周囲との良好な関係構築のスタート」と語る。

「人間関係距離感チェック」や「ほめ上手チェック」など現在提供中の6種類の自己診断アプリを紹介してきたが、今回は6つ目の「心の視力チェック」を紹介する。

私たちは目的を持って何かを見ている。「〇〇についてもっと知りたい」「決断するための判断材料を求めて」など、何かを解決するため(目的)の情報を得ようとしている。だから、何も考えずに単に見るのではなく、「見方」を理解すると今まで見えなかったことも見えるようになるのだ。

モノを見るのではなく、「モノゴト」を見るように習慣づけることによって、「モノゴト」に内在する背景や存在意義など、通常目に見えないことがたくさんあることに気づくだろう。その「モノゴト」を見る目をコミスタでは“心の視力”と呼んでいる。

心の視力チェックでは、「あなたが映画を見るときの選択基準は?」という問いかけに答える。

(1)映画は「話題性」で選ぶ
(2)映画は「俳優」「監督」で選ぶ
(3)映画は「脚本・ストーリー」で選ぶ
(4)映画は「暇つぶし」だ

この4つの選択肢によって、私たちの心の視力を診断してみるというものだ。

例えば、(4)の「暇つぶし」を選択した場合の特徴は、無駄なことや無茶なこと、無理なことは極力しない「ショートカット」思考が強いタイプを表している(傾向が強い)。一見すると頭の切れる、要領の良いタイプと思われがちだ。しかし、この要領の良さが「要領=キャパシティ」の大きさと捉えられてしまうことによって、キャパの狭い「狭量な人」との印象を与えてしまうことがある。

自分には「無駄なこと」であっても、他人には「意味のあること」である場合もある。コミュニケーションを良好に保つ場面では、ちょっと無駄なことも目先の得になりそうにないことも、のちに「財産」に生まれ変わることがある。そのため、一歩引いて「尊重する」ことも大切だ。

職場や家庭内でのコミュニケーションに苦労している人は、年の初めにぜひ自分自身の「心の視力チェック」を試してみてはいかがだろうか。

夕刊フジで毎週金曜日に連載中


日本で初めての「50代以上会社員」に特化した、定年後ライフの準備支援機関。定年後の「自走人生」を目指すシニアを応援。ポータルサイト『定年3・0』を通じ、コミュニケーションスタイル診断アプリ「コミスタ」を無料提供中。


得丸英司(とくまる・えいじ)
1957年生まれ。「一般社団法人定年後研究所」所長。星和ビジネスリンク取締役常務執行役員。
大手生命保険会社で25年にわたり、法人・個人分野のFPコンサルティング部門に従事。日本FP協会常務理事、慶應義塾大学大学院講師などを歴任。日本FP協会特別顧問。

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