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生活
2019年02月27日

「家庭内コミュニケーション」は大丈夫?

自走人生のススメ vol.4:「家庭内コミュニケーション」は大丈夫? 2019.02.27定年後入門


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「夫は定年後はのんびりしたいそうですが、私は夫の食事の世話などでストレスがふえそうなので、パートの時間を増やして家にいる時間を減らしたいです」「子供が巣立ったあと、夫と二人で話すことがあるのかなぁ…と考えるとちょっと心配です。定年後の暮らしは楽しみではないです」(定年後研究所「50’sコミュニテイ」の投稿から)

50代男性会社員にとってはちょっとショッキングな話ではなかろうか。前回は、定年後の新たな居場所でのコミュニケーションの大切さを取り上げたが、それは「家庭外」の話。「家庭内コミュニケーション」も定年後の課題だ。

「新婚時代に戻って夫婦水入らずで…」「定年後はゆっくり旅行にでも出かけて2人の時間を…」などは“甘い考え”なのか?家庭内コミュニケーションは現役時代と定年後とでは大きく変化する。現役時代は何かにつけ仕事を言い訳にできた。「話を聞いてあげたいけど…、今日は仕事で疲れてるからゴメンね」「明日仕事で朝早いから先に寝るね。」などと。しかし定年後はそうはいかず、家庭内コミュニケーションと真正面から向き合わなければならない。配偶者のような近い距離にいる間柄の人間関係は意外と難しいものだ。定年後は一緒にいる時間がぐんと多くなる配偶者間の「近からず、遠からず」の距離感をどう保てばいいのだろうか。

定年後研究所が50代会社員のために提供しているコミュニケーションスタイル診断ツール「コミスタ」には「人間関係距離感チェック」というメニューがある。現在6つある中で一番利用回数が多い人気のメニューだ。そこには、配偶者間を想定した次のような質問と答え(選択肢)が掲載されている。

『心を許した人、近しい人と感じる人をどんな呼び方をしていますか?』

(1)あだなで呼んでいる
(2)下の名前で呼んでいる
(3)最初に呼び始めた名前で呼んでいる
(4)パパ(お父さん)、ママ(お母さん)など「役割」で呼んでいる
(5)呼ばない(おい、ちょっとなど)

筆者の場合は(4)である。子どもが生まれて「お父さん、お母さん」と互いに呼び合うようになり、今年5月に末の子が結婚して家を出て行った現在もまだ続いている。「もう子どももいないのに何か変だなぁ」と感じていたところだが、30年も続いている呼び方をいまさら変えるのは恥ずかしいし面倒くさいので手付かずだ。

『親しい人だからこそ、1人の人間として付き合いたいものです。この診断結果を見せて相談してみてください。気にしてくれているというだけで、きっと喜んでくれるはずです。』というコミスタ共同開発者である小島貴子氏(定年後研究所顧問)のアドバイスに勇気付けられて、今週末は夫婦会議である。配偶者間の距離感で悩んでいるご同輩もぜひ、この「コミスタ」を一度試していただきたい。

夕刊フジで毎週金曜日に連載中


日本で初めての「50代以上会社員」に特化した、定年後ライフの準備支援機関。定年後の「自走人生」を目指すシニアを応援。ポータルサイト『定年3・0』を通じ、コミュニケーションスタイル診断アプリ「コミスタ」を無料提供中。


得丸英司(とくまる・えいじ)
1957年生まれ。「一般社団法人定年後研究所」所長。星和ビジネスリンク取締役常務執行役員。
大手生命保険会社で25年にわたり、法人・個人分野のFPコンサルティング部門に従事。日本FP協会常務理事、慶應義塾大学大学院講師などを歴任。日本FP協会特別顧問。

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