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仕事
2018年11月21日

仕事は幾つあってもいい!100年時代のビジネスライフvol.3

人生90年を見据え、50歳で迎えた転機。
外資系キャリアウーマンからアートディーラーに転身した坂本澄子さん54才の場合 Part2

仕事は幾つあってもいい!100年時代のビジネスライフvol.32018.11.21働く


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IBM退社、バリ絵画専門のアートディーラーへの転身

バリ島の絵画に出会ったのは、勤続25年のリフレッシュ休暇をとった時でした。
アーティストの村としても名高いバリ島のウブドゥを初めて訪れ、あまりの画家の多さに驚きました。ギャラリーや画家のアトリエが軒を連ね、絵の具箱をひっくり返したように、様々な絵が売られているのです。まさに玉石混交の世界です。

そんな中、ある女性アーティストに出会しました。ウブドゥの美術館で作品を見て、強く心を惹かれ、思い切ってアトリエまで訪ねていったのです。彼女の名はガルーといいます。アトリエには夕暮れの空を映す水田に家鴨が影絵のように浮かび上がる幻想的な風景画がありました。数日前に完成したばかりとのことでした。その絵がほしくてたまらなくなり、思わず値段を訊いていました。一般的なバリ絵画に比べると、決して安い金額ではありませんでした。


ガルーさんを初めて訪れた時-坂本澄子氏

と同時に「これだけ素晴らしい作品が、普通の会社員の自分にも手が届くこと」に高揚感を覚えたのです。そんな記憶が蘇るたびに「何万、何十万枚もの絵の山の中から宝を探し出すように、目利きになって本物の絵を日本に紹介したい」と思いは募るばかりでした。

しかし、その一方で、日本とは考え方も商習慣も異なるバリ島です。時々日本から通った程度では、気難しいアーティストたちと互角に渡り合えないことも容易に想像がつきました。そして自分の生活を振り返れば、娘を残してバリに移住することなどできすはずもありません。


木村薫さんと-坂本澄子氏

そんな時、10年以上バリ絵画を扱い続けてきた、ウブドゥ在住の木村薫氏と知り合ったのです。バリ絵画を扱いたいと熱くなる私に諭すように、日本で絵を売ることの難しさを教えてくれました。それでも諦められず必死で食い下がる私を見て、そこまで決意が固いのなら、全面的に協力しましょうと、木村さんもパートナーシップを受け入れてくれたのです。そこから一気に加速し、IBMを退職した2013年2月にはバリ島絵画を扱う準備は整っていました。

最初の展示会を東京の麻布十番で開いたのは、そのわずか2ヶ月後でした。IBM時代の元上司・同僚たちが駆けつけ、「ご祝儀買い」もあって、一回目としてはまずまずの成功を収めましたが、本当の難しさに直面するのはそれからでした。

Part3…に続きます

(文 槇 徳子)


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