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仕事
2018年11月21日

自分のキャリアは自分で決める!vol.1

自分のキャリアは自分で決める!vol.12018.11.21働く


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「自分の現状を知る(自分と家族のキャリアの棚卸)」

定年後研究所ポータルサイト「定年3.0」の始め方(キャリア編)の担当を務めさせていただく木村勝です。4年前52歳のときに、30年間勤めたサラリーマン生活を卒業し、中高年ライフデザイン・アドバイザー、人事の独立業務請負人(インディペンデント・コントラクター)として活動しています。これからのお付き合いよろしくお願いします。

安倍晋三首相は2018年9月3日の日本経済新聞のインタビューで「65歳以上への継続雇用年齢の引き上げを検討する」ことを表明しました。現在の高年齢者雇用安定法では、希望者に対して原則65歳まで働けるようにすることを義務付けていますが、政府はこの上限年齢を徐々に70歳にまで引き上げたい考えです。

まさに「働けるうちは働く時代」の到来です。

皆さんは、このニュースを聞いてどうお感じになられたでしょうか?
「70歳まで会社で働ける目処が出てきた。よかった、よかった!」と思われた方もいれば、「また、ゴールが伸ばされた。今の会社で60歳からさらに10年も働き続けるなんて無理だよ」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

このニュースをポジティブに受け止めた方もネガティブに受け止められた方も、共通して感じていることは、人生100年時代を迎え、「自分はいつまで働かなければならないのだろう」「会社はいつまで雇ってくれるのだろう」という不安だと思います。

このように自分が望む・望まざるにかかわらず、大きなキャリアの転換が否応なく求められるのが現在の雇用環境です。このような環境においては、「キャリアの節目(異動・出向、M&A、介護など想定内・外のイベント発生タイミング)」で立ち止まり、じっくりと自らのキャリアを考える時間を設けること」が重要になってきます。

これから到来する「人生100年時代」、会社の敷いたレールに乗って、他力頼みのキャリアを歩んでいくことはリスクです。変化の激しい労働環境にうまく適応しながら自分の力を最大限に発揮し、納得のいくキャリアを歩むためには、属している一つの会社内だけを見るのではなく、長い人生を展望し自律的にキャリアを考え、今後の自分を活かす働き方や生き方を積極的にデザインしていくことが重要です。

これからのミドル・シニアは、「先行き不安なエンドレスな働き方」から「年齢にかかわりなく働き続けられるエイジレスな働き方」を目指す必要があります。

そのためにまず行うべきことは、自分の現状を客観的にとらえること、すなわち
「キャリアの棚卸」です。

私は、中高年ライフデザイン・アドバイザーとして、ミドル・シニアの皆さんとキャリアについてお話する機会が多いのですが、ほとんどのビジネスパーソンは、ご自身の「キャリアの棚卸」をしたことがありません(特に大企業にお勤めのビジネスパーソンほど)。「棚卸」を辞書で調べると、「決算時または在庫整理時に、その時点で在庫となっている一切の商品や原材料の種類、数、品質などを調べ、その価格を査定すること」とありますが、これをキャリアの棚卸に置き換えると、「ある時点における自分に身についたスキル、知識、経験、資格、ノウハウ、マネジメント力など、保有する自己資産の種類・数・レベルを確認し、その価値を評価すること」ということになります。

会社の棚卸と異なるのは、キャリアは目に見えない無形財産であり定量化しにくいところです。しかし、今までの「暗黙知」の経験・スキルを「形式知」にしてこそ、ご自身が持つキャリア資産が明確になり、
目指すべき姿と現状のギャップが明らかになります。

ここで重要なのは、「キャリアの棚卸」を行う際には、ご自身だけではなく、
ご家族の情報も含めて棚卸することです。

自分のキャリアデザインなのに、なぜ家族の情報を入れ込むのか? といぶかしむ方もいらっしゃるかもしれません。

ミドル・シニアからのキャリアチェンジの場合、家族を考慮せずに独断で進めたプランはなかなかうまくいきません。ミドル・シニアになると家族との日頃のコミュニケーションは少なくなりがちですが、ご家族もそれぞれにライフプランを描いています。

ご家族のライフプランをないがしろにしては、大切なご家族と無用なトラブルを起こしてしまうかもしれません。そんなことになっては、せっかく立てたライフプランも無駄になってしまうばかりでなく、大切な時間を浪費することになってしまいます。

それゆえに、家族のライフプランを考慮に入れた上であなたのキャリアプランも作成する必要があるのです(独身の方の場合も、ご両親の介護の問題など家族データを含めることで課題が見える化します)。

「人生100年時代」には、今までとは異なるキャリア戦略が必要になります。
「自分のキャリアは自分で決める。決めたら行動する」
自ら選択し実行したことに後悔は残りません。

このコラムでは、これから皆さんがご自身で自律的にキャリアを考えるために役に立つ情報やノウハウをご紹介していきたいと思っています。

vol.2へつづく

木村 勝 プロフィール
中高年専門ライフデザインアドバイザー、電気通信大学特任講師
1984年一橋大学社会学部卒業後、日産自動車に入社、人事畑を30年間歩み続ける。中高年の第二の職業人生を斡旋する部門の部長として、中高年の出向促進業務に従事。2014年独立。著書「働けるうちは働きたい人のためのキャリアの教科書」(朝日新聞出版)
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