仕事は幾つあってもいい!100年時代のビジネスライフvol.2
人生90年を見据え、50歳で迎えた転機。
外資系キャリアウーマンからアートディーラーに転身した坂本澄子さん54才の場合 Part1
仕事は幾つあってもいい!100年時代のビジネスライフvol.22018.11.20働く
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定年を意識しながら働くことに不安と疑問
大学を卒業後、大手外資系IT企業のIBMに27年間勤め、法人営業から営業部長へと20年以上営業畑を歩んできた坂本さんの仕事のストレスを癒してきたのは、「絵を描くこと」でした。
平日は子供と過ごす時間が少ないワーキングマザーだったため、休みの日くらいは思い切り子供と何か一緒にやりたいと考えていたとき、たまたま絵画教室の生徒募集のポスターが目にしました。
娘が4歳の時でした。同じものを描いても、娘と自分とでは見方が違っています。新鮮な驚きに夢中になりました。女性管理職を増やす会社の方針もあり、部下を持ち、育成する立場となったのは40代前半の時でした。
それまで一セールスとして自由にやってきたのですが、リーダーとして部門の目標を背負い、部下に目を配りながら、顧客とのやりとりはもちろん、アメリカ本社との折衝と、同時進行でいくつもの役割をこなさなければなりませんでした。力不足を感じることも多く、自分にその器があるのかと悩む日々が続きました。
やがて50才に近づくにつれ、定年を意識しながら働くことに疑問と不安を持ち始めました。同期の中には業界他社に好条件で転職する人もいましたが、人生80年、90年として将来を見据えた時、「自分で何かやっていきたい」と思うようになりました。
定年はいつか必ずやってくるのです。
「そうだ、好きなアートを新たな人生の真ん中に据えて、それを仕事としてやっていく道はないだろうか」。そう思った時、以前、バリ島を訪れた際に魅了された美しい絵のことが頭に浮かびました。
Part2…に続きます
(文 槇 徳子)