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生活
2018年08月02日

みんなはどうしてる?生活編vol.2

みんなはどうしてる?定年後のリアルな事情を徹底解明!(生活編)vol.2

少数派だけれど「日々がつらい人」もいる現実 2018.08.02定年後入門


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60歳で定年を迎え90歳まで生きる、と仮定すると、その期間は30年。すなわち人生の3分の1が「定年後」であり、その日々をどのように過ごすかは、高齢化社会における「人生の大問題」といえます。本サイトの運営機関である一般社団法人定年後研究所では、50代(定年前)と60代(定年後)の方々を対象とするネット・リサーチを独自に実施。定年後の生活についてあれこれ探ってみました。

前回(第1回)は、世の中のネガティブなイメージとは裏腹に、少なくとも60代においては、「定年後」の日々が充実していると感じる人の方が大幅に多いという結果をご紹介しました。そうはいっても、全員が充実感に満たされている訳ではありません。事実、第1回で紹介した質問(下記参照)でも、少数派とはいえ、定年退職した60代の約15%の人たちが、「あまり充実していない」「まったく充実していない」と回答しています。

質問:)毎日の充実度はいかがでしょうか? その理由もあわせて教えてください。

では、どのような理由(原因)からそう感じているのでしょうか。以下、同質問に対して、「あまり充実していない」「まったく充実していない」と回答した方のフリーアンサーの記述をもとに、類型化を図りました。それを参考に、「充実を感じない理由(原因)」を見ていきましょう。

■ 類型1:やることがない

何をやっていいか分からず、時間を持て余しているというパターン。趣味でも仕事でも、主体的にやりたいことを見つけることが急務でしょう。

  1. ・趣味もなく、暇を持て余している
  2. ・1日中ダラダラしている。時間を有効に使えていない
  3. ・特にライフワークを持ってないので、退屈と感じる日々が多い など

■ 類型2:経済的に苦しい

金銭的な苦しさゆえに、「充実感」とは程遠いというパターン。まだ「老いの入り口」であり、先々のことを考えれば、何らかの対処が必要かも知れません。

  1. ・金銭的に苦しいためやりたいことができない
  2. ・収入が半分以下なので、生活に苦労している
  3. ・厚生年金基金の解散で収入が大幅に減少し、思うことができなくなった など

■ 類型3:健康に問題がある

健康上の理由から、行動に制約があり、充実感がないというパターン。健康優先が大前提ではあるものの、制約の中でも可能な「充実化策」を考えていく必要があります。

  1. ・体調不良である
  2. ・健康面から考えていた旅行などに行けなくなったから
  3. ・健康を害して人並みの生活に制限があるため など

■ 類型4:家族の世話(介護など)に追われている

家事や家族の世話に追われ、自分の時間を持つことすらできず、充実感どころではないというパターン。特に介護は深刻であり、社会的な支援がないと解決は困難です。

  1. ・母の介護をしているので自分の時間は持てない
  2. ・家族の介護に追われているから
  3. ・家事をほとんど負担していて、自分の時間がない など

健類型1に関しては、環境的な問題は何もないのですから、自分で何とかしていくしかありません。会社員時代の組織や上司の指示で動くという「他律モード」から、いかにして、自分で自分の道を切り開く「自律モード」へと移行するか。大切なのは行動です。面白そうだと思ったことは、おっくうがらずにとにかくやってみること。それでかなり状況は変わるはずです。

これに対し、類型2~4は、高齢化社会特有の、自力解決が難しい問題のラインアップとなっています。こうした場合、無理をせず、できるだけ周囲に協力や支援を求めること。まずは、そこから解決方法を探っていくしかないように思われます。

こうした理由(原因)による「非充実化」は、これからの高齢化社会では、誰にでも起こりうることです。自分にとっても無縁ではないことを自覚し、できるだけ早い時期から備えをすることが、長い「定年後」を生きていくには不可欠なのです。


マクロミルのモニタ会員に対するインターネットリサーチ
2018年03月14日(水)~2018年03月15日(木)実施
実施対象者:60代の定年退職者
n=309(うち男性n=206、女性n=103)

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