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仕事
2018年07月24日

みんなはどうしてる?仕事編vol.1

みんなはどうしてる?定年後のリアルな事情を徹底解明!(仕事編)vol.1

「解放されたい。でも働き続けたい」逆行する50代の微妙な心理 2018.07.24働く


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高齢化の進展に伴って、「できるだけ長く働き続ける」ことが各方面から提唱されています。さらなる長寿化が予測される中、定年後も働くことは避けられない状況ですが、現実問題として可能なのでしょうか。本サイトの運営機関である一般社団法人定年後研究所では、50代(定年前)と60代(定年後)の方々を対象とするネット・リサーチを独自に実施。定年後の仕事に関する現状の課題を探ってみました。

今回、アンケートを実施するにあたって、一番気になっていたこと。それは、会社勤めをしている50代の方々が、「定年」をどのように受けとめているのかという点です。

最近では、再雇用となるケースも多くなってはいますが、それでも、定年制という「会社生活を終える日が自動的に決まる制度」は依然として残っていて、会社生活の非常に大きな節目であることに、何ら変わりはありません。そういうXデーがやってくることは、果たして50代にとって「待ち遠しいこと」なのか、それとも「嫌なこと」なのか、その辺を確かめたかったのです。

質問Aは、定年退職制度のある会社に勤務する50代(正社員)に対して聞いたものですが、結果は下記のようになりました。

質問A:定年になるのは待ち遠しいと思いますか?

「待ち遠しい派(1+2)」と「待ち遠しくない派(4+5)」は、後者が多少優勢ではありますが、かなり拮抗しています。また、「どちらともいえない派」も3割強いて、全体がおおむね3分割されているのが分かります。ざっくりいえば、「50代はこうだ!」と言い切れるような結果ではなく、「個々に聞いてみないと分からない状況」です。

では「待ち遠しい」と感じる人は、なぜそう思うのでしょうか。質問Aにおいて、「そう思う」「ある程度そう思う」と回答した方に、その理由を質問Bのように聞いたところ、下表のような結果が出ました。

質問B:なぜ待ち遠しく思っていますか。心境にもっとも近いものを一つ選択してください。

「解放されたい」という動機が、圧倒的であることが分かります。1つは仕事の大変さから。そしてもう1つは人間関係から。両者で全体の6割を超えています(「ノルマ」や「通勤」からの解放は少数派ですが、「仕事の大変さ」の一部になっているのかもしれません)。いかに仕事や人間関係が大変だとしても、養うべき家族がいれば、そう簡単に逃げ出す訳にもいきません。そういう人にとって、定年は、誰にはばかることもなく自由を手に入れることのできる「福音」であり、待ち遠しいものなのでしょう。

その一方、「好きなことを思う存分やれるから」といった未来志向の回答はかなり少なく、総じて「後ろ向きの待望感」という印象になっています。

では逆に「待ち遠しくない派」は、なぜそう思うのでしょうか。質問Aにおいて、「そう思わない」「ある程度そう思う」と回答した方に、その理由を質問Cのように聞きました。その結果は、下表の通りです。

質問C:待ち遠しくない理由は何ですか。心境にもっとも近いものを一つ選択してください。

結果は、「今後の収入が不安」ということに尽きました。再雇用制度はあっても、かなりの収入減になることが考えられるため、こうした結果につながったのでしょう。

ただし、収入の不安は、「解放されたいので定年が待ち遠しい」という人たちの内面にあるでしょうし、逆に「収入が減るので定年は待ち遠しくない」という人たちの中にも、「解放されたい」という気持ちを持っている人も、相当数いるだろう思われます。

質問Aへの回答だけをみれば、「待ち遠しい」、「待ち遠しくない」と、真逆になってはいますが、その実、内面的にはあまり変わらないのではないかという気もします。要するに、「解放されたい。でも収入を考えれば働き続けたい」というのが、50代企業人の微妙な心理なのでしょう。


マクロミルのモニタ会員に対するインターネットリサーチ
2018年03月14日(水)~2018年03月15日(木)実施
実施対象者:50代正社員 n=309(うち男性n=206、女性n=103)

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