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仕事
2018年07月05日

ミニマム起業のための実践知識シリーズ vol.4

定年期だからこそ知っておきたい!

ミニマム起業のための実践知識シリーズ vol.4 2018.07.05働く


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成功のカギを握る!「事業を軌道に乗せる知恵」を知っておこう

個人が独立・起業する際には、あまりお金をかけず、最低限(ミニマム)で立ち上げることが望ましいとされています。体力の低下が進む定年期であればなおさらです。ここでは、お金をかけず、知恵を生かして起業する、「ミニマム起業」に必要な実践知識を紹介していきます。

前回は、できるだけお金をかけずに事業を立ち上げる「スモールスタート」のノウハウを中心に見てきました。ミニマム起業のための実践知識シリーズの最終回は、「事業を軌道に乗せる知恵」をお伝えしたいと思います。

知恵1:いいこといっぱい!ビジネスプランコンテストで事業計画を磨く

前回は、コストをかけない起業の知恵が中心でしたが、「堅実起業」の観点からいえば、それは1つの側面に過ぎません。それ以上に大切なのは、事業が着実に軌道に乗っていくことです。利益が出なければ、早晩撤退の憂き目を見ることは避けられないでしょう。大切なのは、ビジネスプランがしっかりしていることです。しかし、残念ながら起業する方のほとんどは初心者で、素人なのが現実。プランがしっかりしているかどうかを正確に見極めることは、ほぼ不可能です。

そこでお勧めしたいのが、全国で行われているビジネスプランコンテストへの応募です(コンテストと起業セミナーなどが一体となって実施される自治体もあります)。こうしたコンテストに応募するときは、マーケティング的な検討や収益計画の精査をしなければなりません。つまり、応募すること自体が、自分のビジネスプランを見直し、ブラッシュアップするきっかけになります。また審査員などから、弱点を指摘されたり、強化のためのアドバイスをもらえたりすることもあり、とても有意義です。しかも、入賞すれば事業プランに箔が付きますし、広報される場合もあるなど、基本的に良いことだらけです。

特に、「ある程度ビジネスモデルは固まっている」「事業計画のメドは立っている」という方は、早速応募を考えてみてはどうでしょうか。

■ ミラサポ 情報を知る~ビジネスプランコンテスト(中小企業庁管轄)

知恵2:やっぱり一番はお金!事前の準備が大事です

どんなに事業プランが良く、「スモールスタート」に努めるといっても、起業にはお金がかかります。特に「お店を開きたい」という場合は、十分に考えておく必要があります。

起業しようと考えたら、まず行政の窓口に相談しましょう。たいてい、どこの自治体も「創業支援窓口」を設けており(自治体の役所内に窓口があるか、商工会議所でも受け付けている場合が多いです。市町村だけではなく、県単位で行っているところもあります)、お金の件に関しても、相談に乗ってくれます。地元の自治体にどんどん出向いて、話を聞いてみてください。

また、融資ではなくて、公的な創業補助金という制度もあります。昨年度(平成29年)は、平成29年5月8日~平成29年6月2日(電子申請は6月3日)の期間で公募が行われ、応募総数739件、採択総数109件だったようです。これは国の補助金であり、融資と違って返却する必要のないものです。大まかに述べると、創業時に必要な資金の2分の1以内、100万円まで(条件によっては200万円)補助してくれるものです。毎年事情が違いますので、ホームページなどで情報を収集することをお勧めします。中小企業庁管轄の中小機構が運営する「J-NET21」が便利です。検索窓に「補助金」などと入れて検索してみましょう。

もしかすると、「都会を離れて自然豊かなところで働きたい」と思う人もいるかもしれません。そんな人は、「移住して事業を始めると補助金や住まいなどのサポートがある自治体」の情報も探してみてください。東京・日本橋の一般社団法人移住・交流推進機構という施設がありますが、そこで調べられますし、ホームページでも『知らないと損する全国自治体支援制度』の中の「仕事」の項で全国の情報を紹介しています。

相談に乗ってくれるのは、自治体だけではありません。公的な金融機関として、日本政策金融公庫も創業支援の窓口を設けています。こちらでは、創業を支援して、低利の創業融資を行ってくれるというワンストップの仕組みがあります。

個人事業主にしろ、法人にしろ、事業開始を決意したら事業用の銀行口座を地元の信用金庫などでつくり、さらに定期預金(積金)などを始めると信用金庫はさまざまな情報を提供してくれます。必要なときには融資の相談に乗ってくれます。融資の必要がないとしても、そういう「地元の金融機関との付き合い」も始めておくといいでしょう。

ここまで4回にわたり、定年期のミニマム起業について紹介しました。起業が成功するか、しないかは、事前にある程度知識を持っているかどうかがカギになります。しっかりと情報収集して、ミニマム起業に挑戦してみてはいかがでしょうか。

藤木俊明
コンテンツ・メイカー / シニア起業ジャーナリスト。有限会社ガーデンシティ・プランニング代表取締役。
明治大学リバティアカデミー講師。経産省関東経済産業局登録マネジメントメンター。金沢市出身。早稲田大学卒業後、リクルート、ぴあを経て、1991年有限会社ガーデンシティ・プランニングを設立。著書に『会社を辞めずにローリスクで独立・起業する』『ゼロから始める「1枚企画書」の書き方』他多数。
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