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仕事
2018年06月30日

定年前後の人のための「講師デビュー」入門 vol.1

培った知見が大きな財産!

定年前後の人のための「講師デビュー」入門 vol1. 2018.07.01学ぶ・教える


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あなたも「講師デビュー」の資格あり!講師をする7つのメリット

これまでのビジネス経験を、講師として次世代のビジネスパーソンに伝えていく。定年後の働き方として、とても魅力的に見えますが、「どうしたらその道に進めるのかわからない」という方も多いと思います。本連載では、講師養成の専門家であり、『定年前後の人のための「講師デビュー」入門』の著者でもある鈴木誠一郎さんに、「講師への道」をナビゲートしていただきます。

講師という仕事は、特別な資格がいらないのに、実に多くのメリットがあります。そこで、講師デビューをめざす方のための連載第2回では、なぜ資格がいらないのかということと、講師という仕事の魅力について、詳しくお話したいと思います。

安心してください!講師に資格は必要ありません

大学卒業後、日産自動車株式会社グローバル本社に入社し、28年間のサラリーマン生活の中で、さまざまな仕事に従事しました。そして、多くのサラリーマンの方々と同じように、悲喜こもごもの経験をしてきました。これは、頭だけで理解した薄っぺらな知識とは次元が違います。そのとき、その場で、その時空間において、見て、聞いて、考えて、判断して、行動し、結果を知ったというリアルな体験はすばらしいものです。

今、世の中には、経験豊富な人から話を聞きたい、知恵を身につけたい、技術を教えてほしい、知見を伝えてほしい、という多種多様なニーズがあります。「講師」という立場は非常に「敷居が低く」なってきているのです。だからこそ、定年を迎えるあなたにぜひおすすめしたいのが、「講師デビュー」です。

最初は、自分が講師をするのはハードルが高いと感じるかもしれません。私も以前は、「講師」と聞くと、“自分とは少し住む世界が違う人”というイメージを持っていました。ところが、実際に講師になってみて気づいたのが、講師と言ってもごく普通の平凡な人が大多数であるということでした。講師向けの、旬なテーマや業界についてレクチャーしてくれる研修があり、私も研修があるたびに参加しています。そこに集まった数十人の講師はみな、ごく普通の人たちばかりです。それもそのはず、講師と言っても、元はサラリーマンやOLをしていた人たちだからです。

講師になるには、何か特別の資格が必要なのではないか、という方もいらっしゃると思いますが、そういうことはまったくありません。あなたは、これまでの約40年間、それに値する知識や能力、経験、技能を蓄積してきているはずです。つまり、「講師デビュー」する「資格」が備わっているのです。

間もなく定年を迎える方にとっては、自らの人生戦略を考え直すちょうど良いタイミングではないでしょうか。これからは、地位や肩書などの所属価値にこだわるのではなく、個人の専門価値や自己実現志向に価値観をシフトしてみませんか?

私が、定年後のあなたに「講師デビュー」をおすすめする大きな理由を、具体的にお伝えします。

魅力がいっぱい!講師になることで得られる7つのメリット

定年された方が、「講師デビュー」することで得られるメリットは、実にたくさんあります。そこで、特に大きいと感じる「7つのメリット」を挙げてみましょう。

1)これまでの「経験」と「知識」が使える

1番のメリットは、あなたがこれまで培ってきた「経験」や「知識」、「ノウハウ」、「技術」が丸ごと使えるということです。何かをはじめようとするとき、蓄積しているものを使うのが最も効率がいいものです。講師も同じで、あなたの得意分野を語ればいいのです。ちなみに、私の場合もまったく同じであり、サラリーマン時代に蓄積してきた知識やノウハウをお伝えしています。

2)教える立場でありながら「感動」をもらうことができる

私がまだ講師をはじめて間もない頃のことです。コミュニケーションに関するセミナーで、コミュニケーションのとり方は大きく4つのタイプに分類できるという話をした後のことでした。休憩時間に、ひとりの女性が私のところに来て、「今のお話で自分自身がよくわかったような気がします。これまで私は、いつも周囲から、“女性なんだから…”とか、“もっと控えめにするべきだ”と言われてきました。自分でもそうしなくてはいけない、といつも頭にあったのですが、今のお話を聞いて、自分が『コントローラータイプ』と言われる行動型・主張型の面が強いことがわかったんです。それで、これまでの自分自身が腑に落ちました。これからは自分に、“いいんだよ、今のままで”と言ってあげることにしたいんです」と言いました。

このように、「講師」をしていると、自分が相手に伝えたことの影響を目の当たりにすることがあります。そして、まさにその「場」に自分が居合わせていることに、心が動かされてしまうことがあるのです。そんな感動できる場面に遭遇できるというのは、とてもすばらしいことだと思っています。

3)短時間で意外に大きな「収入」になる

一般的に、「講師」収入は90分間のセミナーや講演で、5万円~20万円といったところが相場です。デビュー直後の講師はもっと低くなる可能性はありますが、ほんの90分間でこれだけの収入は大きいと言えるでしょう。(源泉徴収はあります)。

日々の生活費は年金で十分足りている、という方もおられるでしょう。しかし、自分ひとりの力でお金を稼ぐということは大きな自信となります。これは、会社員時代にはなかった感覚です。講師で収入が得られるのは、あなたの経験に基づいた「話」の価値を他人が認めているということです。これ以上の充実感は、他ではなかなか味わうことができません。

4)自分で選べるのが魅力!好きなときに活動できる

「講師」という職種は、サラリーマンのように毎日出勤するということはありません。定年後であれば、好きなときに好きなだけ活動すればいいのです。1週間に1回でもいいでしょう。主催者との調整も必要ですが、あなたの生活の中で好きなときに「活動日」を設ければいいのです。そのような意味では、極めて自由度の高い職業と言うことができます。

5)自己存在を感じることができる

「人に教える」ということは、大変なことです。あなたの持っている「経験」、「知識」、「ノウハウ」、「技術」、「知見」に価値があるという証拠。

つまり、人のため社会のためになっているということです。これまでの会社員時代、上司から指示された通りにコツコツと仕事をこなしてきたような方であれば、定年後に「講師」となって人を「教える」立場になると、人生が輝いていると感じるはずです。「講師」という立ち位置は、それだけのインパクトがあるのです。

6) 生涯勉強!あなた自身が「成長軌道」に乗る

「講師」をしていくには、さまざまな「インプット」が大切になります。よりよい内容を、聞く方々にお伝えするためには、新しい知見を取り入れることが必要だからです。そしてそれは、気になる書籍を読んだり、図書館に通ってさらなる知識や教養を身につけたりすることにつながっていきます。それは、あなたをさらなる成長軌道に乗せることになります。結果、「講師」としてのあなたの実力をレベルアップさせていくはずです。

7)生活に「ハリ」が出る

「定年後に講師活動をするようになると、生活にほどよい緊張感が生まれます。先に述べたように、講師として満足できる講義をしようと考えて、自らを高めたいという意識が働くからです。これが生活に「ハリ」を与えることになるのです。

いかがですか。定年後のあなたが「講師デビュー」することには、これだけ多くのメリットが待っているのです。

次回からは、どうやったら講師になれるのか、具体的にお伝えしていきます。

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鈴木誠一郎(すずき せいいちろう)
京都府生まれ。立教大学経済学部卒業後、日産自動車株式会社に入社。
同社にて28年間勤務し、その後ビジネスコンサルタントとして独立、大手輸入車メーカーの正規ディーラー向け経営改善コンサルタントとして売上げアップに貢献。現在はコンサルタントを養成する「オンリーワン・コンサルタント養成アカデミー」を主宰し、コンサルタント志望のビジネスマンをフェイストゥフェイスで支援する活動に取り組んでいる。著書として関連図書に『定年前後の人のための「講師デビュー」入門』『普通のサラリーマンでもできる!週末コンサルの教科書』がある。
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