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News Letter メッセージ
2021年08月24日

シニア社員の強みを活かした職務開発を考えてみませんか

一般社団法人定年後研究所は、㈱星和ビジネスリンクが、企業向けに定期的に発行しているメールマガジンに「NEWS LETTER」として記事の執筆を行っております。今回は本年4月以降、継続して行っている大手企業の人事担当者へのヒアリング状況について掲載致しましたので、紹介させていただきます。

 

シニア社員の強みを活かした職務開発の実例

 

「定年後研究所」の池口です。

改正高年齢者雇用安定法が施行され、また人員構成上もボリュームゾーンになりつつあるシニア社員の活用で、多くの企業で課題認識されているのが『付与すべき職務が見あたらず、これまでの延長線上で配置している』であると思います。

定年後研究所では、この4月以降、20社を超える大手企業の人事担当者に「シニア社員の活性化取組」についてヒアリング調査を実施しました。そこから見えてきたのは、「シニア社員の強み」「企業が抱える独自課題」の双方に着目したオリジナルな職務開発の取組であり、当該企業の人事担当者の声を3つご紹介したいと思います。

 

❶A社(システム開発)

多様な部署を経験し、社内人脈にも通じたシニア社員には、「全社横断課題」の解決にあたってもらっている。課題の本質を見極める力、解決に必要なメンバーをアサインする力をいかんなく発揮いただいている。そのことで、部門間の風通しも随分と良くなっている。また、顧客企業の「業務プロセスのDX化」には、顧客企業の業務プロセスの変遷や背景に関する深い知識が必要であり、そこに通暁したシニア社員は、不可欠な存在である。

❷B社(不動産)

単年度収支では計れないが、必要不可欠な業務が会社には存在する。例えば、街作り分野では、「ステークホルダーとの中長期にわたる関係構築」が必須であるが、シニア社員の豊かな経験や人間力を活かしてもらって活躍いただいている。すぐには結果には表れてこないが、会社としても高く評価している。

❸C社(産業機械メーカー)

イノベーションには、共同体での「若手・中堅・シニア」の三世代の融合が不可欠である。若手は新しいアイデアや技術を取り込むアンテナの役割を、中堅はそのアイデアや技術を商品として具体化するマネジメントの役割を、それぞれ担っている。しかしながら、若手と中堅だけでは乗り越えられない大きな壁に遭遇する。その時に、シニア社員が「長い期間にわたって蓄積してきた経験・知見・英知」で壁を乗り越える決定的な役割を果たしてくれる。この三世代の強みが融合した時に、イノベーションが起こり、画期的な商品を生み出しているのが当社の歴史である。

 

シニア社員の強みは、成功事例も失敗事例も含めた長年の仕事経験や、対人対応能力、深い洞察力、更には世代性から滲み出て来る他者援助志向ではないでしょうか。上述の実例から覗える「分離しがちな要素を繋ぎ合わせるリエゾン力(リエゾン“Liaison”はフランス語で繋がり、連携の意)」をシニア社員の職務開発の視点に加えてみてはいかがでしょうか。

当研究所は、これからも多彩な「リエゾンシニア社員」の活躍事例を紹介したいと思います。皆様からのご感想やご意見をぜひお聞かせください。定年後研究所のホームページ「お問い合わせ」欄より、メッセージを頂戴できれば嬉しく思います。

 

一般社団法人定年後研究所  所長  池口武志

 

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