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2019年02月08日

長谷部真奈見の1000分の1と共に vol.7

長谷部真奈見の1000分の1と共に vol.72019.02.08働く


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生涯学習としての「旅」Part1

元外資系投資銀行のバンカーで、現在はアナウンサー、ヨガインストラクター、ファイナンシャルプランナー、会社経営者、NPO法人理事、妻、障がいのある子どもの母など、いくつもの顔を持つ長谷部真奈見さんによる連載。

「あ!サンタさんのお家みたいだね!」

娘が5歳の頃、表参道で見つけた建物を指差して言ったこの言葉が今も忘れられません。北欧フィンランドで訪れた「サンタクロースの家」を娘は覚えていて、その特徴と表参道で見つけた建物の特徴とが似ていたのでしょう。

「え?!そうだっけ??」
「サンタさんのお家ってこんな感じだった?」と思わず娘に聞き返してしまいました。

「というのも、正直なところ私はフィンランドでサンタクロースに会って握手をしたり会話をしたりした記憶は割とはっきりあるものの、その家の外観までは全くと言っていいほど記憶になく、恐らく現地でも私の目には“見えていなかった”のかもしれません。

親が子どもに見せてあげたいと思っているものや経験させてあげたいことと、子どもが実際に見ていることや感じ取っていることとは大分違うのだなあと、旅行に出かける度に気付かされます。

むしろ子どもの方が色々なことがよく見えて覚えていたりするので、親として私の勝手な概念を押し付けないようにと気をつけるようにしているのですが、実際にはなかなか・・・です。

「ほら、そっちの絵ばっかり見ていないで、こっちの有名なモネの作品をよく見て覚えておきなさい!」なんてついつい言ってしまうのです。

ちなみに、フィンランドでサンタクロースというと、ラップランドの中心地ロヴァニエミにある「サンタクロース村」が有名ですが、娘が言った「サンタクロースの家」というのは、フィンランドの最北地「サーリセルカ」にひっそりとあり、あまり観光地として知られていません。家の中にはサンタクロースのベッドや家具などがあり、自由に部屋を見て回ることができます。

その後で訪れたテーマパークや、賑やかで楽しい「サンタクロース村」よりも、マイナーで地味な「サンタクロースの家」の方を娘が覚えてくれていたことに、親としてはこっそりガッツポーズ!でした(笑)

毎年クリスマスが近づくと、よく何歳まで子どもがサンタクロースの存在を信じているかと話題になりますが、娘はこの先、何歳になってもサンタクロースは「サンタクロースの家」に住んでいるという事実を疑うことはないでしょう。

そして、娘はまだ小学生で且つ知的に障がいがあると言われていますが、アニメキャラクターの「ムーミン」がどの国にまつわる話なのか、迷いなく答えることができそうです。

vol.8へ続く

(文 長谷部 真奈見)

長谷部 真奈見 プロフィール
1978年生まれ。広島大学附属福山中・高等学校在籍中に、米オレゴン州Eagle Point High Schoolに留学
慶應義塾大学法学部法律学科卒業後、JPモルガン・チェース入社、投資銀行業務に携わるも、本社のあるNYにて研修中に9.11世界同時多発テロ事件に遭遇、一転ジャーナリズムの道を目指し福井放送に入社
報道番組の記者兼キャスターを務め、現在はフリーアナウンサーとして活動中

(株)Studio7(スタジオナナ)代表取締役
ヨガインストラクター、ファイナンシャルプランナー、コメンテーターなど多方面で活躍する傍ら、NPO法人の理事としてボランティア活動や、障がいのある子育てについても積極的に発信を続けている

著書「絵本ヨガ 森のくるるん」(そうえん社)

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