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News Letter メッセージ
2022年03月04日

「リエゾンシニア」が超高齢化社会を明るくする(定年後研究所提言)

一般社団法人定年後研究所は、㈱星和ビジネスリンクが、企業向けに定期的に発行しているメールマガジンに「NEWS LETTER」として記事の執筆を行っております。今回は、2021年秋に定年後研究所が発行した「調査結果報告書 Vol.2(70歳現役時代に向けた企業と個人の確かな足音)」の中から、実際の企業人事の取組事例や現役シニア社員の生の声等から見出された「共通項」を踏まえ、企業経営の中でご参考にしていただきたい提言(調査結果報告書本文P49~52記載内容)について、抜粋して紹介いたします。

 

◆定年後研究所「調査結果報告書 Vol.2」の概要

定年後研究所では、2021年4月「改正高年齢者雇用安定法(以下「改正法」と記述)」施行を機に、中高年社員の活躍推進に向けた企業人事担当者26名の「改正法」対応の検討状況等に関してヒアリング調査を行いました。同時に60代以降も活躍を続けている現役シニア社員23名へのインタビュー調査を行い、「調査結果報告書(70歳現役時代に向けた企業と個人の確かな足音)」を発行いたしました。

 

◆「リエゾンシニア」とは?

「リエゾン ”Liaison”」とは、「繋がり・連携・橋渡し」を意味するフランス語であり、大規模災害発生時に、役所と災害現場を繋ぐ連絡員という意味合いや、精神医学・看護の世界でチーム医療(精神科リエゾン)の概念として使われています。

定年後研究所が今回の調査で目にしたのは、「見えにくい本質や関係性を洞察し、本来なら分離しがちなファクター(要素)を繋ぐことで、新たな協働の場や結節点をつくり、企業や社会の課題解決に繋げる付加価値を生み出す中高年人材」の姿です。当研究所ではその姿を「リエゾンシニア」と呼称しています。定年後研究所が実施した現在活躍中のシニア層へのインタビュー調査からもこの「リエゾン」的役割は、「離れたものを横断的に繋ぐ」ことであり、いずれも新しい付加価値を生み出す「原動力」になっていることを確認することができました。

また、企業人事へのヒアリングでも、中高年社員に期待する役割として、「重要顧客との中長期的な関係構築」「後進の育成・指導」を挙げられるケースが数多く見られました。中高年社員を戦略的に活用している企業のお話として、ステークホルダーとの繋ぎや、世代を超えて企業DNAを繋ぐ重要な役割、つまり経験の浅い若手社員だけでは解決できない、かつ自社の事業継続には決定的に不可欠な“繋ぐ役割”を付与するなど、実例をお聴きすることができました。

 

◆「リエゾンシニア」を企業の中で活かす取組みとは?

今後、こうした「リエゾンシニア」を企業経営の中で活かすためには、当研究所としては、大きくは以下2点の取組みが必要と考えます。

1点目は、「リエゾン力」を活かす職務の付与・開発。中高年社員の強みや潜在的な能力、とりわけ繋ぎ合わせる「リエゾン力」を、自社の課題領域のどこで活かすことが可能なのか、どのような職務が相応しいのか。人事部門だけでなく、プロフィットセンター・管理センターを含めて全社横断的に検討することが重要と考えます。

2点目は、「リエゾン力」を見える化する機会の創出。中高年社員それぞれに内在した「リエゾン力」に本人が気づくには、自己理解やキャリア自律は必須要件です。企業もキャリア研修やキャリア面談の機会を創出し、社員がオンリーワンの強みを認知する支援が求められるのではないでしょうか。

今後とも企業人事の皆様には、中高年社員が蓄積した経験値や(潜在)能力に大きな可能性を感じながら、一人ひとりの社員に向き合っていただきたいと考えています。

 

今回ご紹介した「調査結果報告書」をご要望される場合は、当定年後研究所ホームペ-ジ「お問い合わせ」欄に「報告書希望」とご入力いただければ対応させていただきます。

 

一般社団法人定年後研究所  理事 佐々 恒

 

 

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