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健康
2019年12月04日

脳を測りながら“鍛える”

自走人生のススメ vol.33:脳を測りながら“鍛える”2019.12.04定年後入門


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「脳トレは認知機能を向上させるだけでなく、やる気という『前向きな気持ち』も出てくるのです」と語ってくれた川島隆太博士((株)NeU取締役CTO、東北大学加齢医学研究所所長)に、ご自身が開発された「アクティブ ブレーン クラブ(ABC)」についてお話を伺った。

「私たちNeUは、『超高齢社会』を切り拓くために、個人の脳の活動、心身の活動を高いまま維持するということがとても大事だと考え、新しいソリューションを提供することにしました。それが「ABC」という脳のトレーニングのサービスです。ただし、これまでの脳トレと違うのは、新しく開発した超小型で簡便な脳の計測装置を額につけていただいて、実際に『自分自身の脳が働いているかどうか』を確認しながら行うものなのです」という革新的な方法を川島博士は語ってくれた。

脳は筋肉と一緒で、しっかり使わないと衰えてしまう。だから、筋トレのように、脳トレで脳を“鍛える”のだ。ここで大切なのは「適切な負荷」。自分の脳にちょうどいい負荷でトレーニングすると、脳が活性化した状態になり、効果的に鍛えられることが、川島博士の最新の研究で分かっている。

この「適切な負荷」や「脳が活性化した状態」を知ることができるのが、超小型脳活動センサーだ。この装置を額につけて脳トレを行うと、脳の活性化状態がリアルタイムにスマホ画面に表示される。また、脳トレ課題のレベルやスピードを調整して、適切な負荷を維持することで脳の活性化状態を維持し続けるサポートもしてくれる。

このセンサーの仕組みについて川島博士は、「課題をやっている時の脳の状態がスマホ画面に色で表示されます。脳が活性化していくと色は、青から黄色、オレンジ、赤へと変化していきます。もし青い状態が続く場合は、課題が簡単すぎて脳が十分活性化していないことが考えられます。脳トレのスピードを上げるなどして、脳をしっかり使って赤い状態を維持することで、脳トレの効果を最大化することができます」と説明してくれた。

この脳活性化の「見える化」は、脳トレ課題を実行する時だけでなく、趣味や仕事、勉強などの際に、脳の活性化状態を維持するように工夫することで、日常生活を脳トレに利用できるという。

定年後研究所では、定年後の会社員が自分のチカラでその後の人生を切り拓いていく「自走人生のススメ」を提唱している。その自走人生準備のため、“一歩踏み出す”きっかけづくりのために、キャリア・ラーニング・システムを開発中だ。このシステムとの相乗効果が期待できる川島博士のABCの併用を検討いただきたい。「ABC」については、定年後研究所のサイトでも紹介している。

夕刊フジで毎週金曜日に連載中


日本で初めての「50代以上会社員」に特化した、定年後ライフの準備支援機関。定年後の「自走人生」を目指すシニアを応援。ポータルサイト『定年3・0』を通じ、コミュニケーションスタイル診断アプリ「コミスタ」を無料提供中。


得丸英司(とくまる・えいじ)
1957年生まれ。「一般社団法人定年後研究所」所長。星和ビジネスリンク取締役常務執行役員。
大手生命保険会社で25年にわたり、法人・個人分野のFPコンサルティング部門に従事。日本FP協会常務理事、慶應義塾大学大学院講師などを歴任。日本FP協会特別顧問。

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