調査研究結果

セルフ・ラーニングによる自己発見

2020年12月07日

「キャリア羅針盤」の開発(上)
セルフ・ラーニングによる自己発見

ポストコロナ時代でも生き残れる中高年社員になるために、「キャリアの棚卸し」を実行することをお勧めした。
「棚卸し」によって、経験の中に隠れているスキル・知識・ノウハウなどの「価値」を発見することがでるからだ。
しかし、筆者の経験からは、この「棚卸し」という作業は、なかなか骨の折れる作業であり、自ら発案し実行できている人は少ないと思われる。
多くの場合は、勤務先の社員研修で「ライフプラン研修」などを受講する機会に経験する作業だ。
定年後研究所では、もっと気軽に、もっと自主的に、自分自身の価値発見への「旅立ち」ができないものだろうかと考えた。経験豊かな中高年社員が、その経験を土台にして、新たな自分の「居場所」を見つけたり、これからの活躍を目指した「思考と気づき」を得るためには、どうしたらいいのだろうか。

このような課題に対処するために開発されたのが、中高年社員のためのセルフ・ラーニングシステム『キャリア羅針盤』である。
企業の社員研修の開発・販売を30年近く手がけてきた(株)星和ビジネスリンク(東京都港区:近浩二社長)との共同開発である。いわゆる「eラーニング方式」による「人生設計」補助ツールだと考えていただければよい。
中高年社員の経験の豊かさは、「どうせ、こうなるに決まっている」という気持ちが先立ってしまい、新たな領域への挑戦や一歩踏み出すことを邪魔してしまう。
こうした「アンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)」を取り払うことも、『キャリア羅針盤』の役割だ。
人生100年時代では、その中間点に位置する中高年社員層。仕事のためだけではなく

プライベートな生活にとっても、いまこのタイミングで身につけておきたいことや今後の人生を前向きに充実させるためのヒントをご提供したいと考えている。
そのために、『キャリア羅針盤』コンテンツは、「人生のプランニング」と「仕事との両立」をテーマにした2つのカテゴリーから構成している。
一つひとつのラーニング・コンテンツは、テーマごとに第一線で活躍する専門家の監修により作成している。
『キャリア羅針盤』は、現在、一部企業の人事部を通じて試験実施をしていただいている段階だ。これは、『キャリア羅針盤』が実用段階になった際には、まずは企業単位で採用いただくことにしているためだ。
コロナ禍で、対面授業形式の社員研修ができなくなり、オンライン授業やeラーニング方式が注目を浴びていることは、『キャリア羅針盤』にとっても追い風になっている。

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