Active Brain CLUB vol.26:
調理は認知機能をアップさせる2019.08.23定年後入門

脳の衰えをできるだけ緩やかにするために、脳の認知機能トレーニングが有効なことは、これまでも何度も取り上げてきました。ぜひ定期的に脳のトレーニングをして、積極的に脳を使う習慣を身につけましょう。

脳トレのほかにも、生活の中でできる認知機能のトレーニングがあります。おすすめは「調理」です。多くの人は1日3回の食事をします。その準備を脳のトレーニングに使えば、1日に3回も脳トレをするチャンスができるわけです。

調理と前頭前野の関係は、脳科学の世界では広く知られています。「メニューを考える」「材料をそろえる」「洗う」「切る」「煮る・焼く・炒めるなど」「盛り付け」など、調理にはさまざまな工程があります。また複数品を同時に作ることで、工程はさらに複雑になります。調理の作業中、脳は常に動き続けているのです。

そして、外食や出前で済ますよりも惣菜や弁当を買ったほうが、惣菜を買うなら1品だけ手作りするほうが、さらに便利グッズや電子レンジを使って調理するよりも、昔ながらの調理をするほうが脳を働かせるとことができるとわかっています。

下のグラフは「毎週2時間以上の調理実習と、それぞれ自宅で毎日30分以上の調理作業を約3カ月続ける」研究を、2005年に東北大学と大阪ガスが共同で行った結果です。

(2005年に60歳以上の男性を対象に実施)

グラフで示されている通り、3カ月継続した結果、前頭前野の機能が向上していることがわかりました。そして同時に、思考力と総合的作業力にも高まりが認められたのです。

また翌年には小学3〜5年生の子どもとその母親に、週に1回のクッキングスクールへの参加と、1日15〜30分間、親子で調理をすることを週に3日以上続けたケースと普段通りの生活を続けた親子の認知機能の研究も3カ月間行われました。

その結果、調理体験をした子どもだけが、推測する力、空間的な情報を操作する能力、図形の認知能力が有意に向上しました。

母親は普段から調理をしているので差はないと予測されましたが、空間的な情報を操作する能力、図形の認知能力が向上していたのです。

仕事や学校などで、1日3回の食事作りをするのが難しい人も多いでしょうが、人間、食べずに生活できる人はいません。その食事の機会を脳にいい習慣に変えてみてはいかがでしょうか?

掲載元「監修:川島隆太博士(株式会社NeU 取締役CTO、兼東北大学教授)」


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