自走人生のススメ vol.25:
副業で“自走人生”を謳歌
-私が出会った「自走人」vol.4- 2019.07.29定年後入門

「女子大でインターンシップのお手伝いをしたとき、女子学生が好む華やかな業種と人材確保に悩む中小の洋菓子店のマッチングをしました。これは、学生と企業双方に喜ばれました。また、医療器具会社から『研修旅行で顧客を北海道に連れて行くので、うまい食べ物や土産を企画して欲しい』という依頼に対応したこともありました。さらには、高速道路サービスエリアでの土産品開発や駅商業施設の衛生指導など……」

次々と挙がるのは、65歳の今も百貨店の嘱託を受けて働いている堀越和彦さんのさまざまな副業経験だ。「46年間勤務してきた百貨店の食料品部門の経験はもちろん、自分の知見と趣味を生かすこともできますし、副業は本当に素晴らしいですね」と語る。

例えば、高速道路サービスエリアの土産の開発とアドバイス。堀越さんの担当エリアは、東名の海老名SA、関越道、常磐道、東北道、名神道、北陸道、東京湾の海ほたる……と、全国に及んでいる。

「出張が多いんですよ。出張に1日休みを付けて、必ず行くのが温泉とグルメ。だから、本当に“趣味”なんですよね。もちろん仕事の後に、ですよ」と堀越さんは笑う。

堀越さんは現在、長年勤務している百貨店の嘱託をうけて週4日働き、残りの1日は他の会社で働いている。いわゆる副業・兼業だ。「気を付けなきゃいけないのは、1週間の労働時間、40時間を超えないようにしなければなりません。そして健康管理ですね。そのうえで、趣味を活かした仕事をさせていただいてます」。充実した堀越さんの『自走人生』だ。

「60歳で定年を迎える時に、『定年後は週3日の勤務となる』と人事に言われたんです。社会保険加入の問題もあったので、他の方法を模索しました。そうしたら『人材派遣会社と法人契約しているので、百貨店で3日働き、あと2日は人材派遣会社で仕事を見つける方法がある』と言われたことが、私の副業のきっかけになったんです」

人材派遣会社に最初に教えてもらったのは、「履歴書と経歴書の書き方」だという。「若い人の履歴書だと、『いつ、どの学校出て、どこに入社した』とかですよね。でも、シニアの場合は違うんです。『いま、何をやっているか、何ができるか』が問われる」。過去のことよりも、今とこれからがポイントらしい。

『自走人生』を成功させるポイントは、
 (1)自分で何をやりたいのかをはっきりさせる
 (2)何ができるのかをPRできる
 (3)無理に背伸びをしない
-などがあげられる。堀越さんの場合は、勤務先の支援策などを上手く利用しながら、自身の“自走人”イメージをしっかり定めて歩んできたことが、現在の充実につながっているのだろう。

堀越さんは、自身の経験から「社内に副業制度があるといいと思います。例えば、売り場の人が週1回は企画の仕事をするといったようなね。こうした経験があると、定年後の副業にも入りやすい。やりがいのある仕事をすることで、時間の価値を高められる」と話してくれた。

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得丸英司(とくまる・えいじ)
1957年生まれ。「一般社団法人定年後研究所」所長。星和ビジネスリンク取締役常務執行役員。
大手生命保険会社で25年にわたり、法人・個人分野のFPコンサルティング部門に従事。日本FP協会常務理事、慶應義塾大学大学院講師などを歴任。日本FP協会特別顧問。