自走人生のススメ vol.19:
早期退職はチャンス -私が出会った「自走人」vol.1- 2019.06.12定年後入門

定年後研究所では、定年など退職後の人生を、自助努力・自己責任の中で生き抜いていく様を『自走人生』と定義している。自分でレールを敷きながら、自分の動力で走っていく人生というイメージだ。人生100年時代においては、その期間は、20年いや30年にも及ぶ。その自走人生に向けて、50歳を過ぎたあたりから「準備に取りかかっている人」、準備を通じて自己の成長などを実感し「いまの会社人生をイキイキと送っている人」、「実際に自走人生を実践している人」などを『自走人』と認定している。

「私は2年前の50歳の時に、25年勤めた出版社を退職しました。最初は『60歳になっても、きっとこの会社にいるんだろうな…』とイメージしていたんです。ところが、『もしそうだとしたら、その後、私はどうするんだろう?』と自問するようになり、『ちょっと違うかも』と考え始めたのが早期退職のきっかけでした」

こう語るのは、ヨシダヨウコさん(52)。ちょうど勤務していた出版社が、“早期退職”を募集したこともあり、「背中を押されてる」と感じたのだそうだ。

話をうかがってみると、ヨシダさんは「人生とは“ワクワクするもの”であるべきで、そのワクワクは自分自身の手でつかむもの」という考えで生きてこられたという。そして、これからも「そうありたい」と決めておられると強く感じた。

『60歳になった時に、このワクワク感のまま外に飛び出せるのか、気力・体力が残っているのかと考え、早期退職を決意しました。実家が布団屋だったこともあり、今は「睡眠コンサルタント」をしています。』と語るヨシダさん。キラキラと輝く表情が、ヨシダさんの“自走人生”の充実を示しているようだ。

「ヨシダさんの場合は、退職後いきなり「自走人生」がスタートした。当時のことをヨシダさんは、「自走の準備もなく、早期退職で飛び出しましたが、いろんなことを何でも自分で一気にやらなければならなくて、辛い時期もありました。だから、在職中に少しでも社外の世界を経験できる制度があればいいと思います。一度でも外の風を浴び、どれぐらい冷たいか、痛いかを感じておくと、将来自走するときに必ず役に立つと思いますよ」

最後に、現在のヨシダさんのイキイキとした『自走人生』の秘訣をうかがってみた。
「今、私がイキイキしているとすれば、24時間全部が私のもので、誰かに束縛されることもなく、「いい睡眠」を取ることができているからだと思います。7、8時間の睡眠時間が確保できれば、パフォーマンスは2倍、3倍と上がります。睡眠の大切さをぜひ伝えたい」

ヨシダさんは、現在、ネムリノチカラを立ち上げ、「眠りのチカラがあなたをかえる」活動をされている。活動の内容は、また別の機会で紹介したい。

夕刊フジで毎週金曜日に連載中


日本で初めての「50代以上会社員」に特化した、定年後ライフの準備支援機関。定年後の「自走人生」を目指すシニアを応援。ポータルサイト『定年3・0』を通じ、コミュニケーションスタイル診断アプリ「コミスタ」を無料提供中。


得丸英司(とくまる・えいじ)
1957年生まれ。「一般社団法人定年後研究所」所長。星和ビジネスリンク取締役常務執行役員。
大手生命保険会社で25年にわたり、法人・個人分野のFPコンサルティング部門に従事。日本FP協会常務理事、慶應義塾大学大学院講師などを歴任。日本FP協会特別顧問。