シニアが“脳を鍛える”を考える
自走人生のススメ vol.32:
シニアが“脳を鍛える”を考える 50代シンドローム克服も” 2019.11.27定年後入門
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この点について川島氏は次のように語ってくれた。「私は『50代シンドローム』の原因には、社会的なものと肉体的なものがあると思います。そのうち肉体的なものには『更年期』の問題があります。男性でも、男性ホルモンの分泌が極端に減ってきて、これが精神の不安定な鬱(うつ)状態を作り出します。これがタイミング的に社会的要因とともに総合的に出てくる時期と重なっていることが考えられます」
さらに「脳トレをすると、認知機能を向上させるだけでなく、やる気という『前向きな気持ち』も出てくるのです。これはデータで実証されています」と、50代シンドローム克服のヒントをいただいた。
定年後研究所で開発中の「キャリア・ラーニング・システム(CLS)」は、自己認識できていない性格特性を、セルフラーニング(Eラーニング)によって発見することにより、新たな能力や職域拡大のきっかけを創るものだ。
川島氏は「定年後研究所のCLSも、自分に気付かせて未来へ意識を向けさせるというのがポイントだと思います。まさに『やる気』の問題なんですね。CLSが目指しているのは、『内面に気付かせる』という心理学的アプローチです。私たちの脳トレは、脳という『器を鍛えなおす』というアプローチです。手法は違っていても、実は出口は共通しているので、おそらく相乗効果は期待できるだろうと思います」とも語ってくれた。
定年後の自走人生に向けての一歩を踏み出す「やる気」を起こすため、川島氏が開発された脳トレ「アクティブ ブレーン クラブ」について次回詳しくお伝えする。
夕刊フジで毎週金曜日に連載中
日本で初めての「50代以上会社員」に特化した、定年後ライフの準備支援機関。定年後の「自走人生」を目指すシニアを応援。ポータルサイト『定年3・0』を通じ、コミュニケーションスタイル診断アプリ「コミスタ」を無料提供中。

- 得丸英司(とくまる・えいじ)
- 1957年生まれ。「一般社団法人定年後研究所」所長。星和ビジネスリンク取締役常務執行役員。
大手生命保険会社で25年にわたり、法人・個人分野のFPコンサルティング部門に従事。日本FP協会常務理事、慶應義塾大学大学院講師などを歴任。日本FP協会特別顧問。